茶入(ちゃいれ)

茶入(ちゃいれ)とは

小物入れから茶入に昇格した小壷

茶入とは、その名の通り抹茶を入れる入れ物です。
材質は陶器や象牙が主流ですが、一般的な茶入であれば陶製の入れ物に象牙の蓋、さらに布地の袋に包まれています。
もともとは中国から伝わってきた薬や香辛料を入れる小壷が、抹茶を入れるのに調度良いという事で茶入として使われるようになったと言われています。
茶道具はお茶を点てる為に生まれた道具と思う人は多いのですが、実は他の目的で使われていた物が、茶道の道具として調度良いので採用したという物も多いのです。
中国では小壷は特別な物として扱われておらず、今で言う小物入れのような感覚で使われていたそうですが、日本の茶人にとっては抹茶を保存しておくのにぴったりと重宝されていたのです。

お気に入りの茶入と出会おう

茶道を専門的に扱っている人であれば、自前の茶道具は持っていて当たり前ですが、個人の趣味範囲で茶道を始めた人は全ての茶道具を自前で持つ必要はありません。
しかし、自分専用の茶入は持ちたいという人は多いと思います。
手頃な価格であれば数千円から、骨董品になれば数万円から数十万円と価格差は大きいですが、茶入は種類が多いので、手頃な価格でお気に入りを見つける事は出来ます。
骨董品のように価値ある茶入が必ずしも自分に合うわけではありませんので、自分にとっての宝箱になるような茶入を探していきましょう。

形ごとに分ける茶入の種類

まず、茶入の種類は形によって分ける事が出来ますが、決められた分類や呼び名があるわけではなく、当時持っていた人が名づけた名前が親しまれ、受け継がれてきたので、種類分けは曖昧であるものも多いのです。
茶入の形は最低でも13種類あり、頸部回りに小さな石で装飾されている擂座、茶入の中でも特に口の広い大型タイプの大海、胴が丸く頸の高い壷である丸壷、肩が張り出している肩衝、りんごの形やナスの形に似た文琳や茄子、小芋の形やひょうたんに似た形の芋の子や瓢箪など、茶入の種類分けは似ている物の名称になぞらえているものが多く、名前を見ていても楽しめます。

茶入の魅力は蓋の形や袋にもある

茶入の種類分けは見た目のデザインだけでなく、蓋の形や袋の材質などによっても分けられます。
例えば、茶入の蓋は象牙で作られている物がほとんどですが、蓋の形は盛蓋や一文字蓋、瓶子づくや面白蓋、玉堂蓋など様々な種類があります。
茶入を入れる袋であれば、緞子と言って経糸と緯糸で違う色の糸を選び、五枚繻子によって地と模様を織りだした袋もあれば、金襴と言って金糸で絵緯して文様を織り出した袋があるなど、茶入の袋一つとってもこだわっていて、どれを選ぶか迷ってしまう事でしょう。

茶入の裏側の金箔は贅沢品?

茶入の裏側には金箔や銀箔が張られている事がありますが、これは贅沢品として装飾されているのではなく、毒を盛られた時に分かるようにする為のものです。
茶入に毒が盛られると金や銀が反応し、変色するので毒が入っているとすぐに分かるのです。
このように、茶入にはたくさんの種類があるだけでなく、様々なこだわりがあり知恵が盛り込まれた伝統工芸品の一つでもあるのです。
骨董品を始めとして自分専用の茶入探しをしてみると、古来より茶人が茶入を大切にしてきた意味が分かる事でしょう。

茶道具の中でも価値の高い茶入

茶道具はどれも大切に扱われてきましたが、茶入はその中でも特別な存在で、戦国時代には茶入が権威の象徴であり、褒美として与えられていた程、価値があり大切にされてきたものなのです。
茶入の名前に大名物、あるいは中興名物などが付いている場合は権威の象徴として与えられた茶入である証ですので、骨董品としてもとても価値のある茶入になるでしょう。
茶入は骨董品であれそうでないのであれ、見ているだけで豊かな気持ちにさせてくれます。
毎日でも持ち歩きたいという思う茶入と出会えるよう、アンテナを張り巡らして茶道具探しを始めてみましょう。

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