茶杓(ちゃしゃく)

茶杓(ちゃしゃく)とは

単純そうに見えて奥深いのが茶杓

茶杓とは茶器から抹茶をすくい茶碗に入れる為の匙の事です。
茶道具を日常的に目にする事のない人でも茶杓はわりとなじみがあるのではないでしょうか。
旅行先のお土産屋さんなどでも茶杓を目にする事はありますが、そのほとんどが竹で作られていると思います。
しかし、茶杓は竹に限らず、梅や松、桜の木で作られた茶杓もあれば、象牙や金属、陶器で出来た茶杓もあります。

価格の幅が広い茶杓

茶道具の中でも茶杓の価格は幅広く、お土産屋さんやインターネットショップなどで数百円単位から手に入る物もあれば、骨董品になれば数万円、数十万円という茶杓もあります。
基本的に茶杓は専門の職人や作家によって作られていますが、昔から茶人お手製の茶杓を使用している人も多く、骨董品として売られている茶杓の中にも茶人が作ったものがたくさんあるのです。

茶杓は自分で作れるのか?

自分で作った道具を使いたいという人にとって、茶道具の中でも茶杓が一番簡単にトライ出来るだろうと思われますが、実際はとても奥深く難しいものです。
料理で使う塩や山椒を取る為に竹で匙を作るのであれば、誰にでも作れるかもしれません。
しかし、茶道具としての茶匙は点前の型に倣って茶匙の置き場所、抹茶の取る量など所作があり、それに適した形や長さ、重さや材質がありますので、点前や茶道具に対する知識のない人が簡単に作れるものではないのです。
また、稀に変わった素材や形をした茶杓も見かけますが、これから茶道を習いたいという人であれば、茶杓は茶道具を専門として扱う職人が作った物を選ぶようにしましょう。

茶杓の原型は薬匙

茶杓は中国から伝わってきたものですが、もともとは薬匙として使われていたものを、抹茶を取るのに適しているとお茶の世界でも使われるようになったと言われています。
茶道が確立するまでの茶杓は象牙や金属製が主たる匙として使われていたそうですが、室町時代に入り茶道が成立したのに従い、茶碗や他の茶道具を傷付ける可能性のある金属製よりも象牙や竹や木など、安全で使い勝手の良い素材が注目を集めるようになりました。

骨董品として価値の高い茶杓とは

骨董品として価値ある茶杓として売られているものには匙だけでなく筒や箱がセットになっていますが、これは共筒と言われ、作者が茶匙と共に筒と箱を作り大切にされていた証なのです。
茶道が確立する前後に作られた茶杓には筒や箱がない事もあり、後世に受け継がれていく途中で茶人が別に作りいれられているものもあります。
遺品整理などで骨董品が見つかる事は多いですが、筒や箱に入った茶匙を見つけた際には、茶匙だけでなく一緒になっていた筒や箱も大切に扱いましょう。

茶匙は使うだけでなく観る楽しみもある

茶匙は抹茶をすくう為の茶道具の一つであるとともに、その小さな匙の先には様々な工夫がほどこされ、観るだけでも楽しめる道具でもあるのです。
茶匙を作る時、例えば竹であれば曲げる部分を蝋燭の火などを使い少しずつあぶりながら曲げていきますので、厚みのあるものから薄作りになっているもの、節がなだらかなものから強く曲がっているものまで、作り手の作り方や選んだ素材によって柄の特徴は大きく異なります。
さらに、匙の先の形が剣先形や一文字形、丸形や兜巾形など様々な種類があり、茶匙は一本一本が味わいも使い勝手も、手へのなじみ加減も違うのです。
茶会や骨董品売り場で茶匙を見る時は、素材が竹であれば白竹なのか煤竹なのか胡麻竹なのか、斑やそぎ目があるか、節上から節下のデザイン、節裏の削り加減や匙の先の部分である櫂先の曲げ方や形の整え方はどうかなど、茶匙の見所はたくさんあります。
茶匙一本から茶道の世界を垣間見る事が出来る、これが茶道具の魅力でもあるのです。

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