武者小路千家(むしゃこうじせんけ)

三千家の中で最も合理的な武者小路千家

三千家は、元は千利休の茶道への思想を受け継ぎ継承され始めた流派ですので、茶道の本質は表千家も裏千家も武者小路千家も皆同じです。
しかし、三千家が継承されてくる中では、様々な困難や時代の変化に対応していかなければなりませんでした。
そして、その結果が、それぞれの流派ごとに生まれた異なる特徴なのです。

武者小路千家の主な特徴

武者小路千家は三千家の中で最も合理的で無駄のない作法を持つ流派として知られています。
そもそも、茶道はどの流派の作法でも無駄な動きなどありません。
畳の上での歩き方から、茶道具の取り扱い、お茶の点て方、茶菓子の出し方、どんな動作を取っても全てに意味があり、無駄のない動きが考えられています。
しかし、その中でも特に無駄がないのが武者小路千家の茶道なのです。

なぜ武者小路千家は合理的なのか?

武者小路千家の茶室は官休庵が象徴的ですが、茶室が造られてから何度も不幸に見舞われ消失しています。
消失するごとに復興と改築を重ねてきましたが、茶室を改良していくごとにこれまでの無駄なスペースや空間、デザインに気づき、そのたびにより良い茶室へと変化していったのです。
その結果、茶室はとことん無駄を省いた、シンプルで合理的な空間を持つ茶室へと生まれ変わったのです。
このように、武者小路千家は起こりうる様々なトラブルを通して、より合理的、より効果的な空間、作法、思想に磨きがかかり、三千家の中で最も合理的な流派と呼ばれるようになったのです。

自然の動きを大切にする武者小路千家

茶道の点前はどんな流派であれ、動きの全てに意味があり、自然に沿った動きや作法である事を重点に考えられてきました。
そのため、どの流派で茶道を学んでも、合理的な動き、意味のある作法に日々学ぶ事は多い事でしょう。
しかし、そんな茶道の中でも武者小路千家の流派は無駄のない動き、無理のない動きを徹底して考えられています。
特に、武者小路千家の流派を学ぶ時は、「どうしてその動きが必要なのか?」という合理性まで考慮して指導している所が多く、流れを覚える稽古ではなく、自然な動きを身につける稽古であることが特徴的です。
もちろん、武者小路千家の流派は主人の合理性のみの追及ではなく、おもてなし精神にも配慮が行き届いています。
例えば、器物を部屋へ運ぶ時の動作も、客人の方へ体や顔が向くような動きをしています。
これは、どう動く事が合理的かどうかという事だけではなく、「どう動く事が客人におもてなしの気持ちを伝えられるか?」という事まで考えられた上で出来上がった作法なのです。
武者小路千家は、まさに究極を切り詰めた流派と言えるでしょう。

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